どうすれば合格できるの?
(2002年4月06日更新)
小学校の勉強だけで合格できればいいのでしょうが、そんなわけにも行きません。
小学校で教えてもらえるのは、すべてにわたって広く浅く学習するのが原則です。
中学入試を受けて合格しようとすれば、小学校とは異なる場所でそれなりの努力が必要なのです。
これは、野球が好きで将来甲子園を目指そうという子供がリトルリーグに入るのと同じなのです。
だれも小学校の体育の時間だけで充分だとは考えません。
ピアノが好きな子供に音楽大学に進むのに、レッスンに行かずに小学校の音楽の時間だけでいいとも言いません。
水泳でも同じことが言えます。
単に泳げるようになればいいだけなら、スイミングスクールに週1回程度通えば泳げるようになります。
しかし、才能が認められれば、選手コースに誘われます。
そこでは夜遅くまで毎日毎日泳ぎ続けています。
その姿を見て応援される方は多いですが、勉強ができなくなると批判される方はほとんどいません。
スポーツや芸術では、同じことをしても周りから評価されます。
誰も友達と遊ぶ時間がなくなるから、悪いことだとは言わないのです。
学校の先生にはスポーツや芸術を奨励される方もおられるのです。
学校では、勉強だけではなく、スポーツも芸術も行なっているのです。
それなのに、スポーツや芸術では評価され、勉強をより頑張ろうとすると、
悪いことだと決め付けられてしまうのです。
スポーツや芸術には才能が多くの部分を占めますが、勉強はその部分の比較的少ない、
言い換えればいちばん公平なものなのです。
とはいっても、急に考え方が変わるものでもありません。
現実的に考えれば、少なくとも中学受験をするには、塾に行くなり、家庭教師をつけるなりが必要になります。
かといって塾なり家庭教師をつけたから、何とかなると言うものではありません。
塾や家庭教師というのは、子供の学習の場や時間を確保し、その中で学習意欲を維持させた状態で、
頑張らせるものなのです。
どこでもいいから塾に行かせる。
誰でもいいから家庭教師をつける。
これでは何もしないのと同じなのです。
問題になるのが、塾の選び方です。
最近はそういう分類を塾自身が避けるようになっているのですが、中学校や高校の受験のための塾もありますし、また小学校や中学校の授業についていくための塾もあります。
以前は、前者を進学塾、後者を補習塾、両方をやろうとするものを総合塾といっていたのです。
もちろん、分類できないものもありますが。(たとえば不登校の生徒を預かる塾など)
最近の少子化傾向のあおりを受けて、その形態や規模に関わらず、どこの塾でも生徒数が大なり小なり減少しているようです。
ということは、どんな目的を持った子供であっても原則的に入塾させたいのです。
入塾させてしまえば授業料などが現金で入ってくるのです。
ですから、保護者が中学受験をさせたいといって塾に相談すると、どこの塾に行っても必ずできますという返事しか返ってこないのです。
塾が売っているいちばんの商品は、授業という形のないものなのです。
いちいち手にとってその内容を確かめるわけには行かないのです。
毎回のように授業を見学しても、中学入試に対してその授業が良いのかどうかを見極めることは大変難しいことです。
教材にしてもそうです。
最近の中学入試用の問題集を一度本屋さんで見てください。
算数の計算や国語の漢字などではそう難しそうにありませんが、算数の文章題などを見ると親でもすぐには解けそうにもない問題が出ているのです。
子供が楽しんで塾に行っているから安心というわけには行かないのです。
入学試験のときにそれまでためた力を出せるような指導が必要になるのです。
ひとつの指標は中学入試での実績です。これは紛れもなくその塾が中学受験に向いている証拠にもなります。
学校の補習もやりながら、中学受験も考えるという芸当はサーカスではないですから期待しないでください。
どちらか一方をきちんとすることで精一杯なのです。一方ですらきちんとできていない塾があるのですから。
次に言い古されたことですが、その塾に通っている、もしくは通っていた人の保護者に聞いてみることです。
ただし、本題を聞く前に、その保護者がどういう目的で塾に通わせていたのかを知っておく必要があります。
たとえば、小学校の宿題も見てくれ、中学受験の勉強も教えてほしいと思われて塾に行かされたのであれば、その保護者の意見は無視するしかないのです。
そんなことができる塾は存在しないからです。
どこの塾にいっていたとしても必ず不満だけが残っているはずですから。
逆にいえば、なりふり構わずでそんな子供でも預かる塾もあるのですが。
あくまでも中学受験を目指して塾に通わされた保護者の話でないと意味がないのです。
聞くポイントは次の通りです。
子供または保護者の希望の学校が受験できたか。
希望どおりでない場合には納得いくまで説明をしてくれたか。
子供の性格や将来の希望にあわせた学校を進めてくれたか。
子供が転々と塾を必要以上に変わっていなかったか。
これは説明が必要ですね。
保護者や子供の意志で、塾を転々としてそのまま受験を迎えてしまう場合があります。
塾それぞれにカリキュラムを作っていますから、あまりに塾を変わりすぎるというのはロスが大きすぎるのです。
このような状態になっていたと判断された場合には、その意見は無視してください。
結局、子供をつぶしたのは、その保護者なのですから。
子供が活き活きと塾に通っていたか。
受験のための勉強は苦しいものです。
しかし、塾に行くこと自体が苦しくなるというのでは話になりません。
その学校に詳しい先生がいたか。
進学塾には、合格実績や合格率をチラシなどに載せているところが多く見受けられます。
これは現在のところ、水増しなどは減ってきたようです。まったく別の法人が経営している、ただ姉妹提携を結んでいるだけの子供も合格者に入れていた塾もありますが。
ほとんどの塾が、合格者の氏名や学校名は教室の中には掲示していますので、同じ学校の人がいたら、聞いてみるのもひとつの方法です。ただし、合格した直後だと誰一人として塾を悪く言う人はいませんので、注意してください。
だって、それが人情というものでしょう。
また、塾の入塾説明会に参加されるのも、一つの方法です。
ただし、この場合、受付で名前などを書かされますので、後で電話や訪問攻勢を受けることがありますが。
それまでに、他の塾に決められていたら、そう伝えればいいのですから、あまり気にしないことです。
私学の中学と同様に、塾も良く知ってから入っていただきたいと思っているのです。
何も知らないで入塾して、こんなところなの、ですぐ退塾では、迷惑するのは子供自身だからです。
入塾説明会に行かれたとします。
時期によっては、お一人かもしれません。
それでもめげずに自分の子供に合うのか、きちんと見極めてもらうことが大切です。
疑問なところは、どんどん質問すればいいのです。
少しでも嫌そうな顔をする塾なら、辞めればいいのです。
そんな塾では、入塾してからも親切な対応は期待できませんから。
私自身も、定期的に入塾説明会で話しています。
それは、指導方法などを理解していただいて、入塾していただきたいという気持ちで話しています。
いくらいいシステムでも、使いこなしていただかなければ宝の持ち腐れになってしまうからです。
他塾でも同じ気持ちだと思います。
百聞は一見にしかずです。
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